甲状腺機能と造影剤

造影CTの問診票に「甲状腺の病気はありますか?」という項目をみたことのある方もいらっしゃると思います。どうしてこのような問診があるのでしょうか。解説します。

 

甲状腺とは

甲状腺は前頸部に存在する臓器です。

下垂体から分泌されたTSH(甲状腺刺激ホルモン)の刺激を受けて、甲状腺ホルモン(FT3、FT4)を分泌します。この甲状腺ホルモンを産出する材料の1つにヨードがあり、このヨードを含む造影剤を使用すると、甲状腺の病気のある方で問題となることがあります。

ここでは、甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症に絞って解説します。 

 

甲状腺機能亢進症の場合

甲状腺機能亢進症にヨードを投与すると、ホルモンの材料が増えたことで、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されます。重篤な場合、甲状腺クリーゼを生じます。

甲状腺機能亢進症の方にヨード造影剤を使用する際は、十分な注意が必要です。

 

甲状腺機能低下症の場合

甲状腺機能低下症の場合も注意が必要です。

それは、ヨードが甲状腺の機能を抑制し、甲状腺ホルモン値が低下するからです。

ヨードを過剰に摂取すると甲状腺ホルモンの分泌が低下することをWolff-Chaikoff効果と言います。

 

甲状腺機能低下症の方にヨード造影剤を使用する際も、病気が落ち着いていることを確認しておく必要があります。

 

「甲」がゲシュタルト崩壊しました。

初めてのブログ。少しずつ慣れていきます。